Why simplifying digital infrastructure is key to growth
2026 デジタルインフラの 複雑化がもたらす 代償とは? イ ンフラのシンプル化が企業の成長 を加速させる理由 Commissioned by Colt
Coleman Parkes | Colt – 2026 The cost of complexity: Why simplifying digital infrastructure accelerates enterprise growth 2 CONTENTS 1 エグゼクティブサマリー 主な調査結果 セキュリティへの影響 経営課題としての複雑化 AI導入とイノベーションへの影響 設計原則としての 「シンプル化」 業務効率への影響 結論 5 3 7 2 6 4 8 Coleman Parkes | Colt – 2026
Coleman Parkes | Colt – 2026 The cost of complexity: Why simplifying digital infrastructure accelerates enterprise growth 3 企業は、今日のテクノロジー環境の要請に応えるため、 デジタルインフラの変革を迫られています。 エグゼクティブ サマリー Coleman Parkes | Colt – 2026 テクノロジーがますます高度化し、相互接 続が進む中で、企業が直面する課題も増加 しています。競合他社はAIなどのデジタ ル技術を活用して迅速に変化へ対応する一 方、顧客はより迅速で使いやすく、一人ひ とりに最適化された製品やサービスを求め ています。また、サイバー攻撃は頻度・被 害規模ともに拡大しており、企業が保有す る機密データの増加によってリスクも高ま っています。 こうした環境において、複雑化したデジタル インフラは変革を阻む大きな要因となってい ます。レガシー技術を基盤としている場合 も、運用状況を十分に可視化できていない場 合も、多くの組織がインフラの複雑さによっ てコスト増加やプロジェクトの遅延、さらに は従業員のモチベーション低下といった影響 を受けていると回答しています。 私たちは、世界各国・さまざまな業界のデジ タル分野のリーダーに対し、複雑なデジタル インフラが事業へ与える影響について調査し ました。その結果から導き出された結論は明 確です。企業が前進するためには、「変革」 と「シンプル化」を同時に進めることが不可 欠です。インフラの複雑性を主体的に管理す ることで、組織は成長に向けた基盤を整え、 長期的なレジリエンス(変化への対応力)を 高めることができます。 「インフラの俊敏性は、新たなデジ タル機能をどれだけ迅速に展開でき るかを直接左右します。現在では、 コネクテッドサービス、予知保全、 車両運行データの分析、顧客向け プラットフォームなどの提供が求め られています。私たちがデジタル プラットフォームの刷新を進める 中で強く実感したのは、基盤とな るインフラに柔軟性が欠けている と、AIや高度なデータ分析の導入・ 活用が実際には大幅に制限されて しまうということでした。」 「新しいテクノロジーを本格的に展 開しようとすると、見えにくかった 複雑さが一気に表面化します。パイ ロット段階では、対象が一つの倉庫 に限定されていたり、システム連携 が少なかったり、専任チームで運用 していたりするため、すべてが順調 に見えます。しかし、複数拠点や複 数の国へ展開した途端に、実際の課 題が見えてきます。拠点ごとに環境 が異なり、顧客システムもそれぞ れ違います。その段階になって初め て、インフラの複雑さが明確になる のです。」 - 英国の製造業企業 CIO - フランスの運輸業界 ITアプリケーション担当 VP 1.
Coleman Parkes | Colt – 2026 The cost of complexity: Why simplifying digital infrastructure accelerates enterprise growth 4 主な調査結果 16 50 万 8000 ユーロ 14 万 ユーロ超 7 週間 66% インフラの制約によ り、AIを活用したビ ジネス機会を十分に活 かせなかった経験 があ ると回答 企業環境で利用されているベン ダー、プラットフォーム、ツー ルの平均数 。 システムが完全に統合されてい ると回答した企業はわずか18% にとどまる インフラの複雑さによって、 過去1年間に企業が経験した 累積的な遅延期間の平均 プロジェクトや取り組みが 1週間遅延するごとに失われる価値の平均額 デジタルインフラの簡素化・ 最適化を目的とした外部レビ ューや戦略策定の導入を検討 する意向がある と回答 既存システムを壊してしまう ことへの懸念から、 インフラ 変更をためらう組織文化が生 まれている と回答 複数のレイヤーで構成された複雑 なインフラは、 セキュリティ設定 ミスや監視の抜け漏れを引き起こ す可能性を高める と回答 企業の意思決定者の68%が、 デジタルインフラの複雑化 は、 資金不足やアイデア不足以上に事業成長を阻害する 要因 になっていると回答 デジタルインフラの複雑さが原因で、少なくとも一部または全体の実施 が妨げられたイノベーション施策の平均年間損失額。 対象企業では平均 14件の施策 が影響を受けている 69% 73% 63% 2.
Coleman Parkes | Colt – 2026 The cost of complexity: Why simplifying digital infrastructure accelerates enterprise growth 5 経営課題 としての 複雑化 複雑化したデジタル インフラは、多くの 企業に共通する課題 となっています。 現在、企業のIT環境では平均16種類 ものベンダー、プラットフォーム、 ツールが利用されています。また、 企業の意思決定者の82%は、ネット ワーク、セキュリティ、ユニファイ ドコミュニケーション(UC)、クラ ウドシステムが十分に統合されてい ないと回答しています。 こうした課題は、特に AI活用と イノベーション、セキュリティ、 業務効率化 の3つの領域で顕著に 現れています。共通して見られる のは、IT環境が複雑になるほど、 組織が自信を持って迅速に行動す ることが難しくなるという点で す。デジタルインフラの変更や改 善が困難になると、企業の競争力 や新たな挑戦への意欲も低下して しまいます。 インフラの複雑性は、もはや単なるIT部門の問題ではありません。 企業が成長やレジリエンス、競争力向上のために進めようとしてい る重要な取り組みを遅らせるため、今や経営レベルで取り組むべき 戦略的課題となっています。 実際に、企業の意思決定者の68%が、「イ ンフラの複雑さは、資金不足やアイデア不 足以上に企業成長を妨げる要因になってい る」と回答しています。 「新たなマーケットプレイスパートナーの 追加や、地域ブランドを共通プラットフォ ームへ統合することは、一見すると単純な 作業に思えます。しかし実際には、商品情 報管理システム、在庫同期、POS連携、 ロイヤルティプログラムなど、多くのシス テムに影響が及びます。 私たちは、当初3か月で完了する予定だった 統合作業が、システム間の整合性の問題に よって6か月、場合によっては9か月まで延 びるケースを経験してきました。プラット フォーム自体は優れていますが、長年にわ たって個別に進化してきたシステム同士を 連携させることが大きな課題です。 特にコンプライアンス対応やM&A後のシス テム統合では、複数のレイヤーを同時に変 更する必要があるため、その影響を受けや すいと感じています。」 「複雑性が最も大きく影響するのは、 日々の業務負荷と責任分担のあり方で す。シンプルな環境であれば、各チー ムはそれぞれの担当領域で効率的に業 務を進めることができます。しかし複 雑なインフラ環境では、問題の原因を 特定するために多くのチームが連携し なければなりません。 その結果、エンジニアやプラットフォ ーム担当者は、本来の開発や構築業務 ではなく、調査や調整に多くの時間を 費やすことになります。実際には、開 発そのものよりも関係者間の調整に時 間を取られてしまうことが少なくあり ません。」 - ドイツの小売業企業 IT部門責任者 - ドイツのプロフェッショナル サービス企業 データ・テクノロジー責任者 3. 68%
Coleman Parkes | Colt – 2026 The cost of complexity: Why simplifying digital infrastructure accelerates enterprise growth 6 91% インフラの複雑化によって、 Agentic AI(自律型AI)を はじめとする新しいテクノロジー の導入・活用が妨げられていると 回答。 ※調査設問(Q9i) 「デジタルインフラの複雑さ(ネットワーク、 セキュリティ、クラウド/データプラットフォ ーム)は、以下の領域においてどの程度の遅延 や手戻りを発生させましたか?」 本レポートでは、「大きな遅延」「中程度の遅 延」「軽微な遅延」と回答した割合を合算して 集計しています。 68% 14 件 インフラの複雑さは、資金不足やア イデア不足以上に企業成長を阻む要 因になっていると回答。 停滞または実現できなかった イノベーション施策による年間 平均損失額。 デジタルインフラの複雑さが原 因で、年間平均14件のイノベー ション施策が計画通りに進展し なかった。 50 万 8000 ユーロ
Coleman Parkes | Colt – 2026 The cost of complexity: Why simplifying digital infrastructure accelerates enterprise growth 7 複雑性はAI活用の 足かせとなっています。 多くの企業は新しいアイデアを持ち、高度 なデータ分析や自動化、AI活用サービス への投資も進めています。しかし、その取 り組みの多くは、本来、迅速かつ大規模な 実証・展開を想定していない複雑なデジタ ル基盤の上で実施されています。 調査では、66%の企業がインフラ上の 制約によってAI活用の機会を十分に活か せなかったと回答しています。 ここに、企業の構想と現実とのギャップ が現れています。管理された環境下での PoC(概念実証)やパイロットプロジェク トは成功していても、それを複数国、複 数プラットフォーム、レガシーシステム、 さまざまな運用チームへ展開しようとする と、これまで見えていなかった依存関係や 課題が明らかになるのです。 AI導入とイノベーションへの 影響 4. 既存環境の上に新たな技術を追加するよりも、デジ タルインフラをシンプル化する方が早くビジネス価 値を生み出せると考えている 既存システムへの影響を懸念するあまり、「変更し ないこと」を優先する組織文化が生まれている インフラの複雑性は、資金不足やアイデア不足以上 に企業成長の障壁となっている 脆弱で過度に複雑なインフラにより、ITリーダーは 持続困難なレベルの責任やリスクを抱えている インフラ上の制約により、AI活用の機会を十分に活 かせなかった経験がある 複雑なデジタルインフラは、セキュリティ投資を行 っている企業であってもサイバーリスクを大幅に高 める 68% 63% 68% 63% 66% 62% イノベーションへの影響も深刻です。過 去12か月間に、 企業はデジタルインフラ の複雑さを要因として、平均14件のイ ノベーション施策を十分に進めることが できませんでした。 これらの停滞した施 策の年間平均価値は50万8,000ユーロに達 します。 つまり、複雑性は変革のスピードを低下 させるだけでなく、企業がすでに投資し ている テクノロジーから得られる成果そ のものを制限しているのです。 この結果は、AI活用に向けた準備が、単にAIモデルやデータサイエンス 人材、投資予算の有無だけで決まるものではないことを示しています。 AIの価値を実証段階から本番環境へ展開するためには、基盤となるデジ タルインフラが十分にシンプルで、可視化され、適切に統合されている ことが不可欠です。 デジタルインフラの複雑さが原因で、少なくとも一部または全体の実施が妨げられた イノベーション施策の平均年間損失額 50 万 8000 ユーロ 停滞または実現できなかった イノベーション施策による年間 平均損失額。
Coleman Parkes | Colt – 2026 The cost of complexity: Why simplifying digital infrastructure accelerates enterprise growth 8 97% 93% 83% 91% 81% ワークロード、データ、または基幹アプリケーションの移行 M&A(企業買収・統合)または事業売却後のシステム統合 新製品・新サービスの立ち上げ Agentic AI(自律型AI)などの新しい技術の導入・活用 コンプライアンス、規制対応、セキュリティ要件への対応 「遅延が発生する主な理由は、システム間に存在する見えにくい依存 関係です。新しいAIツールやデータプラットフォームを導入する際、 当初は単にプラットフォームを展開すればよいように思えます。し かし、エンジニアリング部門のシステム、工場の運用システム、グ ローバルなデータソースなどと連携を始めると、複雑さが表面化し ます。 例えば、データ形式が統一されていなかったり、工場ごとに接続環 境が異なったり、それぞれ独自の業務プロセスが長年運用されてい たりします。その結果、展開計画を見直したり、アーキテクチャの 調整が必要になったりします。 興味深いのは、このような複雑性は計画段階では見えにくいことです。 APIやコネクタが存在しているため、多くの人はシステム連携が容 易だと考えます。しかし実際に、設計から製造までのプロセスや、 工場データから分析までの一連のワークフローをエンドツーエンド で運用してみると、さまざまな小さな摩擦や課題が現れます。 そして、その小さな摩擦の積み重ねこそが、手戻りや遅延を生み出 しているのです。」 - 日本の製造業企業 ITディレクター ※調査設問(Q9i) 「デジタルインフラの複雑さ(ネットワーク、セキュリティ、クラウド/データプラットフォーム)は、以下の領域においてどの程度の遅延や手戻り を発生させましたか。」本レポートでは、「大きな遅延」「中程度の遅延」「軽微な遅延」と回答した割合を合算しています。
Coleman Parkes | Colt – 2026 The cost of complexity: Why simplifying digital infrastructure accelerates enterprise growth 9 ※調査設問(Q10) 「過去12か月間に発生したこれらの遅延を合計する と、対象となるすべての取り組みにおいて、どの程度の 追加時間が発生しましたか。」 企業は、デジタルインフラの複雑さによって、 過去1年間に平均で7週間の累積的な遅延を経験 しています。 「私たちのAIを活用したサプラ イチェーン最適化の取り組みが 良い例です。ERPの全面刷新が 完了するまで待つのではなく、 既存システムの機能をAPI経由 で利用可能にし、イベントスト リーミングを活用してシステム 間を接続しました。 その後、リホストした仮想マシン 上のワークロードを段階的に PaaSベースの環境へ移行して いきました。 このアプローチにより、変革を 止めることなく、組織や顧客へ 価値を提供しながらインフラの 複雑性を徐々に低減することが できました。」 「私たちは現在も、AIを活用した 配送ルート最適化、プラグアンド プレイ型ロボティクス、自動搬送 システム、オンデマンド配送ソリュ ーションなどのデジタル技術の導 入を進めています。 重要なのは、これらの技術を単に導 入することではなく、業務プロセス の効率化と顧客の柔軟性向上につな がる形で統合することです。」 - 英国の小売業企業 ITディレクター - ドイツの小売業企業 IT部門責任者 7 週間 累積的な遅延の平均期間
Coleman Parkes | Colt – 2026 The cost of complexity: Why simplifying digital infrastructure accelerates enterprise growth 10 セキュリティへの 影響 69% 複雑性によるセキュ リティ弱体化リスク 今回の調査で、 多層化したデジタルイン フラによって、システム全体の可視化 や保護、ガバナンスの実施が難しくな ることが明らかになりました。これは 単なるIT部門の課題ではありません。 リスクはすぐに経営層、規制対応、企業 の評判に関わる問題へと発展します。 調査対象となったビジネスリーダーの69%は、複雑で多層化したインフラに よって、セキュリティ設定ミスや見落としが発生する可能性が高まると回答して います。 さらに62%は、十分なセキュリティ投資を行っている企業であっても、複雑な デジタルインフラはサイバーリスクを大幅に増加させると考えています。 さらに62%は、十分なセキュリティ投資を行っている企業であって も、複雑なデジタルインフラはサイバーリスクを大幅に増加させると 考えています。 その背景にあるのが「可視性」の問題です。62%の企業では、障害の 原因調査や切り分けのために複数のツールや管理ポータルを利用する 必要があると回答しています。また、約半数の企業は、インフラ変更 に伴い、本来計画していた業務よりもトラブル対応に多くの時間を費 やしていると回答しています。 インシデント発生時には、このような状況が影響し、「何が起きたの か」「どのシステムが影響を受けているのか」「何を優先して対応す べきか」を迅速に把握することが難しくなります。 ※調査設問(Q3) ネットワーク、セキュリティ、ユニファイドコミュニケーション(UC)、クラウドを含む 貴社のデジタルインフラについてお伺いします。以下の状況はどの程度発生していますか。 ※結果は「非常に頻繁に発生する」と「頻繁に発生する」の合計です。 5. 62% 62% 57% 50% 48% インシデント対応では、影響範囲を特定す るために複数のツールやポータルを利用す る必要がある 重要なデジタルインフラの変更には、3つ以 上のチームまたは外部ベンダーとの連携が 必要となる ネットワーク、セキュリティ、UC(Unified Communications)、クラウド間の依存関 係により、インフラ変更が遅延している デジタルインフラの複雑性により、主要 チームでは計画業務よりも障害対応に多 くの時間が割かれている 「個人的なストレスの多くは意思決定から生じます。 ビジネス部門は即時の対応や機能提供を求める一方 で、インフラ側には拡張や適応に時間が必要な場面が あります。その際には、スピードとリスクのバランス を取らなければなりません。環境が複雑になりすぎる と、誤った判断を下すリスクは大幅に高まります。」 「インフラの規模が拡大し、多層化が進むにつれて、 テクノロジー部門のリーダーが担う責任も大きくなり ます。相互に接続されたシステムで重大な障害が発 生した場合、その影響はIT部門だけにとどまりませ ん。当然ながら、多くの人がテクノロジー部門の責任 者に対し、何が起きたのか、そしてどれだけ早く状況 を収束できるのかを説明するよう求めることになり ます。」 - 英国の製造業 CIO - フランス の 製造業 情報システムセキュリティ 担当ディレクター
Coleman Parkes | Colt – 2026 The cost of complexity: Why simplifying digital infrastructure accelerates enterprise growth 11 48% 63% デジタルインフラの複雑化により、主要 チームの業務は計画的な取り組みよりも 障害・問題対応に追われている システム障害への懸念から、多くの企業で 変革を避ける文化が根付いている ※調査設問(Q16) 「デジタルインフラの複雑さに起因する問題は、組織内の以下のグループにどの程度フラストレーションを引き起こしていますか。」 本レポートでは、「常に発生している(Always)」および「頻繁に発生している(Often)」と回答した割合を合算しています。 64% 63% 53% 44% 38% 事業部門の利用者、エンド ユーザー、部門責任者など のビジネスユーザー 経営陣(C-suiteおよび 取締役会を含む) セキュリティ・ コンプライアンスチーム IT運用・インフラチーム アプリケーション開発・ エンジニアリングチーム
Coleman Parkes | Colt – 2026 The cost of complexity: Why simplifying digital infrastructure accelerates enterprise growth 12 複雑性は業務効率を 低下させる デジタルインフラが複雑化すると、日々の 業務は非効率になりがちです。従業員は、 分断されたシステム、複数の管理画面やポ ータル、重複する業務プロセス、不明瞭な 責任範囲などに対応しなければならず、本 来の業務以外に多くの時間を費やすことに なります。 そのコストは単なる金銭的なものではあり ません。チームは、本来取り組むべき業務 よりも、部門間の調整やトラブル対応、リ スクの説明や確認作業に時間を割かれるよ うになります。 今回の調査では、企業の意思決定者の約半 数(48%)が、デジタルインフラが複雑な 環境では、チームが計画された業務よりも 「問題対応(firefighting)」に多くの時間 を費やしていると回答しました。 業務効率への 影響 6. また、多くの企業が以下のような課題を報告しています。 • 手作業や回避策(ワークアラウンド)の増加 • 運用・サポートコストの増加 • 業務プロセスの非効率化 • 新規施策や製品・サービス立ち上げの遅延 こうしたことから、インフラの複雑性による影響は、事業面だ けでなく、人材や組織の観点からも考える必要があります。 IT環境が複雑で全体像を把握しづらい場合、本来であれば明確 なアーキテクチャや十分な可視化、シンプルな運用モデルによ って支えられるべき意思決定が、個々の担当者の経験や判断に 依存するようになります。その結果、従業員一人ひとりの負担 や責任も大きくなります。 業界別に見ると、課題の現れ方には違いがあります。例えば、 運輸業界では複数プラットフォーム間の依存関係による遅延が 課題として挙げられる一方、金融業界やプロフェッショナルサ ービス業界では、プロジェクトの遅延によって失われる事業価 値への懸念が特に大きくなっています。 しかし業界を問わず共通する課題は同じです。 インフラの複雑性が組織のリソースと時間を消耗させているこ とです。 そのため企業にとってインフラのシンプル化は、単なるコスト 削減施策ではありません。チームの時間を取り戻し、運用上の 負荷を軽減し、組織が変革や成長に取り組むための余力を生み 出す重要な取り組みなのです。
Coleman Parkes | Colt – 2026 The cost of complexity: Why simplifying digital infrastructure accelerates enterprise growth 13 設計原則としての 「シンプル化」 7. 複雑性への現実的な対 応策は、環境全体が 完璧な状態になるまで 変革を止めることでは ありません。 現実的には、企業がレガシーシステムや依存 関係、暫定的な運用をすべて整理し終えるの を、市場は待ってはくれないからです。 しかし、その反対のアプローチも同様に危 険です。すでに断片化された環境の上に新 たなテクノロジーを積み重ねるだけでは、 さらに複雑なレイヤーが増え、企業は変化へ の対応、セキュリティ確保、そしてスケー ル拡大がより難しくなってしまいます。 そのため、シンプル化は単発のクリーンア ップ施策ではなく、すべてのインフラ判断 を方向付ける「設計原則」として位置付け る必要があります。 新しいシステム、API、プラットフォー ム、あるいはベンダーとの関係を導入する 際には、 「このテクノロジーは環境全体の 運用、統合、セキュリティ管理をより容易 にするのか、あるいはチームが管理しなけ ればならない新たな複雑性を増やすだけな のか」 ということを問い続けることが重要 です。 この規律が必要であることはデータからも明らかです。現在、平均的な企業の IT環境は16社ものベンダーやプラットフォーム、ツールに依存しており、自社 システムが「完全に統合されている」と回答したリーダーはわずか18%にとど まります。また、半数以上のリーダーが「複数ベンダーの利用」が現在の環境 における最大の複雑性要因の一つだと回答しています。さらに47%は、既存の デジタルインフラの複雑さが、組織の俊敏性向上を妨げる要因になっていると 考えています。 今回の調査で話を聞いたデジタルリーダーたちは、 シンプル化と変革は同 時に進めなければならない と口をそろえていました。 つまり、リーダーはあらゆる変革プログラムを、単に新しい機能を導入す る機会としてではなく、 既存の複雑性を取り除く機会 として捉えるべきで す。新しいクラウド基盤、AIツール、セキュリティ対策、データ基盤は、 既存の仕組みを置き換えたり、統合したり、簡素化したりするものでなけ ればなりません。 もしそうならなければ、それらは将来のチームがまた対処しなければなら ない新たな依存関係となり、結果として複雑性をさらに増幅させることに なるでしょう。 < 1/5 47% 自社システムが「完全に統 合されている」と回答した リーダーは わずか18% 既存のデジタルインフラの複雑さが、 組織の俊敏性向上を妨げる 要因に なっていると考えてい る 「現実には、すべてのレガシーシステムを整理し終えるまでビジネスを止めて変革を待 つことはできません。市場は待ってくれないからです。しかし一方で、既存の複雑な環 境の上に新しいツールやAI施策を次々と積み上げることもできません。それでは問題を 解決するどころか、新たなサイロを生み出してしまうだけです。」 - ドイツの製造業 CIO
Coleman Parkes | Colt – 2026 The cost of complexity: Why simplifying digital infrastructure accelerates enterprise growth 14 シンプル化を実践に 落とし込む 英国の金融機関でデジタルソリューション 部門を率いる責任者は、この点を次のよう に明確に述べています。 「変革が健全なものとなるのは、それによって 全体アーキテクチャが段階的に整理され、管理 しやすくなっていく場合に限られます。」 - 英国金融機関 デジタルソリューション部門責任者 同氏によると、自社では新しいプラット フォームを構築しながらレガシー環境の刷 新も進めていますが、その際には明確な原 則があります。 「新たな取り組みは、レガシー環境の複雑さを 増やすのではなく、段階的に置き換えていくも のでなければなりません。」 - 英国金融機関 デジタルソリューション部門責任者 これを実現するには、意図的な選択が求め られます。企業はデジタルインフラを定期 的に棚卸しし、重複するツールや類似した サービスを特定し、新しいプラットフォー ムの導入に合わせて不要になったものを廃 止していく必要があります。 新しいものを導入する一方で古いものを残 し続けることこそが、複雑性を組織の中に 定着させる原因です。そのため、実効性の あるシンプル化戦略には、新規投資のロー ドマップだけでなく、レガシーシステムを いつ・どのように廃止するかという明確な 計画が含まれていなければなりません。 また、パートナー企業の選定についても、 より慎重な姿勢が求められます。グローバ ル企業にとってベンダーが1社だけでは十 分でない場合が多い一方で、多すぎるベン ダーは運用やセキュリティの負荷を増大さ せます。 重要なのは、以下のような能力を備えた限ら れた数のパートナーと協業することです。 • グローバル規模でサービスを提供できる • 複数の環境をサポートできる • 規制やセキュリティ要件を理解している • IT環境を複雑化するのではなく簡素化 できる 特に、69%のリーダーが「複雑で多層化 したインフラは、セキュリティ設定ミスや 可視化できないリスクの発生可能性を高め る」と警告している状況では、この考え方 は非常に重要です。 もちろん、シンプル化は容易な取り組みで はありません。今回の調査では、 • 47%が「シンプル化によって重要システ ムに影響が出ることを懸念している」 • 41%が「システム間の依存関係が障壁に なっている」 と回答しています。 だからこそ、シンプル化は場当たり的に進 めるのではなく、適切な専門知識のもとで 計画的に推進し、ガバナンスを効かせなが ら実施する必要があります。 実際、企業の75%がデジタルインフラの簡 素化や最適化を目的とした外部レビューや 戦略策定の活用を検討していることから、 多くのリーダーがより体系的なアプローチの 必要性を認識していることが分かります。 最も強い組織とは、 最も多くのテクノロジー を導入した組織ではありません。 何を残し、何を統合し、何を廃止するのか を意図的に判断できる組織こそが、真に競 争力のある組織なのです。 シンプル化によって 重要システムに影響 が出ることを懸念 47% システム間の 依存関係が障壁 41%
Coleman Parkes | Colt – 2026 The cost of complexity: Why simplifying digital infrastructure accelerates enterprise growth 15 ド イツの交通インフラ企業でネットワークオペレーションを 統括するシニアディレクターは次のように語っています。 「やみくもにテクノロジーを追加し続けたところで、将来的な 価値の創出にはつながりません。私たちの目標は、可能な限り インフラをシンプル化することです。」 - ドイツ交通インフラ企業 ネットワークオペレーション担当シニアディレクター 同社では、AIやデータ分析ツールの導入に先立ち、ま ず既存のレガシーツール間の依存関係を解消する取り 組みを行いました。これにより、新たな複雑性の発生 を防いだのです。 「重要なのは、これらの機能を業務効率と顧客への柔軟性向上 につながる形で統合することです。」 - ドイツ交通インフラ企業 ネットワークオペレーション担当シニアディレクター シンプル化とは、イノベーションを遅らせることではあり ません。 むしろ、イノベーションを継続的かつ安全に、そして大規 模に展開可能なものにするための基盤づくりです。 Top 2: Total 73% 調査設問(Q18a) 「貴社がデジタルインフラの簡素化・合理化を進めるうえで、主な障壁となって いる要因は何ですか?」 設問(Q20) 貴社は、デジタルインフラの簡素化・最適化を目的とした外部レビューや戦略支援の活用について、どの程度前向きですか? 51% 40% 外部支援の活用に対する意向 33% 21% 6% 積極的に活用したい 現時点では判断できない ある程度前向き 活用する予定はない 47% 重要な業務システムへの 影響リスク 41% システム間の依存関係による 変更の難しさ 40% 新機能や新サービスへのビジネス要求が シンプル化より優先される 38% 予算制約や他の投資案件との 優先順位競争 レガシーシステムの複雑さと 技術的負債(Technical Debt) 複雑性への対応に成功する組織は、以下をすべての意思決定 に組み込んでいます。 • 不要なツールを増やさない • 責任範囲を明確にする • システム統合を強化する • 可視性を高める • 運用負荷を増やすのではなく軽減するパートナーを選ぶ つまり、シンプル化はプロジェクトではなく、企業全体の設 計思想そのものなのです。
Coleman Parkes | Colt – 2026 The cost of complexity: Why simplifying digital infrastructure accelerates enterprise growth 16 「AIやデータ分析ツールをさらに導入する機会 がありましたが、既存のレガシープラット フォームの上に重ねるのではなく、まず一部の レガシーツールを切り離し、その後クラウド上 で高度なAIソリューションを導入しました。あ えて旧来のプラットフォーム上で運用しなかっ たのは、全体の複雑性が増すことを避けるため です。 私たちは、単にテクノロジーを追加し続けるこ とが将来の価値創出につながるとは考えていま せん。目指しているのは、可能な限りシンプル 化することです。 一方で、シンプル化はイノベーションの削減を 意味するものではありません。当社では、AIに よるルーティング、プラグアンドプレイ型ロボ ティクス、自動運転支援車両、自動化ソリュー ション、オンデマンド配送などのデジタル技術 の導入を継続しています。 重要なのは、こうした技術を業務効率の向上と 顧客への柔軟な対応につながる形で統合するこ とです。」 - ドイツの運輸業界 ネットワークオペレーション 担当シニアディレクター
Coleman Parkes | Colt – 2026 The cost of complexity: Why simplifying digital infrastructure accelerates enterprise growth 17 結論 8. デジタルインフラの複雑性は、 もはや単なる技術的課題ではありません。 今では、企業がどれだけ自信を持って成長し、変革を進め、AIを活用し、リスクを管 理し、人材の時間を有効活用できるかを左右する重要な経営課題となっています。 だからこそ、シンプル化は問題解決のための後追い施策ではなく、企業変革を支え る戦略として位置付けるべきです。 重要なのは、環境が完璧に整うまで変化を止めることではありません。変革を継続 しながら摩擦を減らしていくことです。そのためには、 • ベンダーを戦略的に選定する • 新たな仕組みを導入する際には既存の仕組みを段階的に廃止する • 定期的に複雑性を評価・可視化する • 変革をよりシンプルに進められるパートナーを選ぶ といった取り組みが求められます。 企業にとって、その先にある価値は明確です。より確実な実行力、より高いレジリ エンス、そしてAI活用やイノベーション、さらなる成長に向けた余地を確保できる ようになります。 Coltが考える解決策もまた明確です。 市場は、抽象的なデジタルトランスフォーメーションの議論から、実践的で安全か つグローバルに展開可能なインフラへと関心を移しつつあります。Coltは、複雑性 の軽減を前提に設計されたソリューションを通じて、企業が必要とする可視性と統 制を提供し、それぞれのペースで変革を進めながら具体的な成果を実現できるよう 支援します。
Commissioned by Colt 本調査について Coleman Parkesは2026年2月から3月にかけて、日本、英国、フランス、ドイツ、オランダの5か国に おいて、所属企業のデジタルインフラに関する知見を持つシニア意思決定者600名を対象に調査を実施し ました。 回答者は、従業員数2,000名以上の金融、製造、プロフェッショナルサービス、小売、運輸、防衛関連企 業に所属しています。 Coleman Parkes について Coleman Parkesは、IT・テクノロジー分野を専門とするB2B市場調査会社です。世界各国の中堅企業か ら大企業に至る幅広い業界を対象に、経営層や意思決定者への調査・分析サービスを提供しています。 詳細については、ianBeston@coleman-parkes.co.ukまでお問い合わせください。 Colt Technology Service について Coltは、グローバルなAIエコノミーを支え、社会やコミュニティをつなぎ、人々の暮らしを変革するデ ジタルインフラを所有・運営しています。 ヨーロッパ、アジア、北米の65以上の拠点で働く数千人の社員が、お客様に優れた体験を提供し、あら ゆるやり取りをよりシンプルで円滑なものにするという共通の使命を持っています。 お客様やパートナー企業は、受賞歴を持つColtの光ファイバーネットワーク、デジタルプラットフォー ム、セキュリティソリューションを活用しています。当社のネットワークは複数の大陸と海域をまたい で展開されており、現在、40か国以上、32,000棟を超える企業ビル、275を超えるPoP(接続拠点) 、12か所の海底ケーブル陸揚げ局を接続しています。また、8つの海底ケーブルシステムを運用するとと もに、世界最大級の相互接続ネットワークであるAS3356の共同運営も行っています。 Coltは30年以上前にロンドンで設立され、現在も非上場企業として事業を展開しています。公平性、包 摂性、多様性を重視し、持続可能なより良い社会の実現に向けた取り組みを推進しています。 私たちの存在意義は、お客様、地域社会、そして社員に向けて「シンプルな接続と卓越した成果」を提 供することです。この理念は、私たちのあらゆる活動の指針となっています。 Coltについて詳しくは、 Colt公式サイト をご覧ください。 また、LinkedIn、Instagram、TikTok、Facebook、YouTubeでも情報を発信しています。